Shimadzu RF5300 Spectrofluorophotometer
Shimadzu RF5300 Spectrofluorophotometer
この装置は、錯体などの定常状態における発光を測定するものである。定常状態の発光とは、励起光を十分に照射しながら測定するものである。ある遷移確率で吸収が起こり、ある遷移確率で発光する。いずれもその条件での定常状態に達するため、定常状態発光と呼ぶ。この測定で注意しなければならないことは、溶液の濃度である。また、発光の力比べを行う場合にも以下の注意を要する。まず、前者についてであるが、錯体濃度が濃すぎると濃度消光と呼ばれる現象をまねき、定量的な議論を行うのが困難となる。従って、発光スペクトルを測定する際には、注意を要する。通常励起光の設定波長において吸光度が0.1程度かそれ以下となるように設定する必要がある。他方、後者の発光強度の比較においては、吸光度が同じである際の発光強度の違いを議論する必要があるため、励起光で同一吸光度の溶液を用意するか、または、実測の吸光度で規格化を行う必要があるであろう。