UV-Visible-Near-Infrared Spectrophotometer (Shimadzu UV3100PC)
この装置はいわゆる吸収スペクトル測定装置であるが、通常の装置に比べ幾つかの観点で優れている。特徴を以下に列記するので利用希望者は理解した上でご利用いただきたい。(1)近赤外領域(900-3200 nm)の測定が可能である。(2)近赤外領域の測定ではPbS検出器を用いる(いわゆる半導体検出器であろう)。(3)可視部の検出器としてはPM(光電子増倍管)を用いている。(4)光源には紫外領域にD2ランプを用い、可視近赤外領域にWランプを用いている。(5)ダブルビーム分光光度計である(ベースラインの安定化を図るため、試料側と参照側の光学経路の両者を設け、光源強度の変動因子の補正を行っている)。(6)ダブルモノクロメーター方式を取っているため、低迷光であり、比較的高い吸光度まで信頼性のある測定値を与える(島津は吸光度5−6程度までを補償している)。
注意点
装置は電源投入後1〜2時間しないと安定化しない。特に900nm付近の検出器切り替え波長領域で比較的大きな段差やノイズを生じる。その場合、より十分な安定化を施してから使う方が良い。
以前使用した経験から述べると、装置はダブルモノクロであるためか、ベースラインのドリフトが起こり易い。AC100V電源の安定度にも依存するようである。
|
|